自衛隊派遣の可否が議論される一方で、民間主導の「鳥獣被害対策産業」が急速な拡大を見せている。AIを搭載した自動検知カメラ、熱源探知ドローン、自動忌避音装置など、最新テクノロジーを駆使したスタートアップ企業が相次いで参入。官民一体となった防除ネットワークの構築が進む。
いまやクマ被害は単なる「自然災害」や「野生動物問題」の枠を超え、地域のインフラを揺るがす「防災・国家安全保障」の一環として捉え直されている。過疎化が進む中山間地域において、住民が安心して暮らせない環境は即座に地域の崩壊を意味する。国境警備や災害派遣と同等に、地域社会の安全保障として害獣対策を位置づける新たな安全保障観が求められているのだ。