NHKの制作陣が本作で徹底したのは、徹底的な現場取材とリアリティの追求だった。実際の産婦人科医師や助産師の指導のもと、医療機器の扱いから処置の手順に至るまで、一切の妥協を排して撮影が行われた。美術スタッフが作り上げた診察室の空気感は、本物の病院特有の匂いや静けさまでも漂わせるほどだったという。
現場では、重厚なテーマに挑む出演者やスタッフが常に命と向き合い、議論を重ねながら撮影を進めた。特に赤ちゃんを扱うシーンでの緊張感は凄まじく、文字通り全員が息を詰めて見守ったという。そうした制作陣の真摯な祈りにも似た姿勢が、画面から漂う真実味の源泉となっていた。