元々、この曲はシングル向けとして書かれたものではなかった。1975年にリリースされた太田裕美のサードアルバム『心が風邪をひいた日』に収められた、数ある楽曲の中の一トラックに過ぎなかったのだ。しかし、アルバム発売直後から全国のラジオ局へリクエストが殺到する現象が起きる。
この反響を察知したCBS・ソニー(現在のソニー・ミュージックエンタテインメント)の制作陣は、即座にシングルカットを決断。シングル化にあたってテンポをわずかに上げ、ブラスセクションを強調したリミックスを施すという大胆なマーケティングを展開した。アルバム曲から国民的ヒットへと導いたこの戦略は、当時の音楽業界における作品供給のあり方を大きく塗り替える契機となった。