ベビードールという名称のルーツは、1956年に公開されたアメリカのハリウッド映画『Baby Doll(邦題:ベビードール)』に遡ります。
テネシー・ウィリアムズ脚本、エリア・カザン監督による本作で、主演女優のキャロル・ベイカーが演じた19歳の若妻「ベビードール・ミーガン」が、親指をくわえながらクリブ(ベビーベッド)で寝る際に着用していた衣装が、まさに胸元がギャザーになったショート丈のナイトガウンでした。
当時としては極めて前衛的かつ挑発的なデザインでありながら、少女のようなあどけなさと大人の官能美を同時に表現したこの衣装は、瞬く間に世界中で一大センセーションを巻き起こしました。その後、クリストバル・バレンシアガをはじめとするオートクチュールデザイナーたちが、ハイウエストで切り替えたゆったりとしたミニ丈ドレスを「ベビードールドレス」として発表。ナイトウェアの枠を超え、ファッション用語としても定着していった経緯があります。