この事件を振り返る上で、多くのネットユーザーが誤解しがちなのが「DMM GAMESがデータを盗んで作ったのか?」という点です。これは事実とは異なります。本作の運営・ローカライズを手がけたのはブロードゲーム(Broad Games)という企業であり、実際の開発は中国のデベロッパーが担当していました。DMM GAMESはあくまでプラットフォーム提供元(パブリッシング窓口)の立ち位置でした。
ここに、2010年代半ばから多発していた「ブラウザゲーム・買い付けビジネス」の構造的盲点が存在します。
- 中国製アセットのブラックボックス化:現地の小規模開発会社が、大手ゲームのクライアントからリバースエンジニアリング等で抽出した3Dデータを流用し、ガワだけ変えて安価にパッケージ化するケースが横行していた。
- 国内パブリッシャーの審査体制の甘さ:日本国内のパブリッシャーや運営元が、買い付けたゲームの内部アセットの出所を厳密に照合・監査するノウハウやリソースを持っていなかった。
- プラットフォームのチェック限界:当時爆発的に増加していたWebブラウザゲームの登録タイトル数に対し、外部アセットの権利関係をプラットフォーマーが事前に全件精査することは実質的に困難だった。
結果として、ブロードゲーム側が著作権侵害の事実を事前に把握していたのか、それとも開発元に騙された被害者側だったのかという真相は闇の中ですが、いずれにせよ開発サプライチェーンのガバナンス欠如が引き起こした必然の事故であったと言えます。