当時の警察捜査およびNPB調査委員会の報告書によって明らかになったのは、裏社会の「胴元」の存在と、チーム内に蔓延していた悪しき慣習でした。
胴元となった人物は、表向きは飲食店経営者などを装いながら、プロ野球選手という高額所得者の心理的隙間に入り込んでいました。高級クラブでの飲食接待やギャンブル(バカラや裏カジノ)の手ほどきを通じて選手を誘惑し、金銭の貸し借りを作り出すことで関係を固定化させていたのです。
さらに問題を根深くさせたのが、巨人のロッカールーム内で行われていたとされる「ご祝儀」や「罰金」名目の金銭のやり取りでした。試合ごとのプレーに対する数千円から数万円のやり取りが日常化しており、選手たちの中で「金銭を賭けることに対する罪悪感やハードル」が著しく麻痺していた実態が浮き彫りになりました。この閉鎖空間での倫理観の希薄化が、違法な野球賭博へスライドする直接的な温床となったのです。