落語界には様々な流派や協会が存在し、時には組織同士の距離感が問題になることもある。楽太郎の師である五代目三遊亭圓楽が独自の一門を率いていた一方、桂歌丸は落語芸術協会の会長として長年にわたり落語界全体の発展に尽力していた。本来であれば、所属する団体が異なる落語家同士がこれほど深く関わることは稀である。
しかし二人は、そうした組織の垣根を軽々と飛び越えて交流を深めた。落語という伝統芸能を途絶えさせず、次の時代へ繋ぐという共通の使命感があったからだ。楽太郎が主宰した各種の落語会や地方公演にも歌丸は快く協力し、演芸界全体の活性化のために力を合わせた。二人によるオープンな姿勢は、東西や流派の壁を滑らかにし、現代の落語ブームの基盤を作ったと言っても過言ではない。