「チーズと飲み物の合わせ方に絶対の正解はないが、香りのベクトルを揃えることが成功の鍵だ」。そう指摘するのは、世界的に知られるソムリエの田崎真也氏だ。燻製独特の煙の立ち上がりと、樽熟成させた酒類が持つバニラ香やスモーキーさは見事な相思相愛の関係にある。
また、知識の普及に努めるNPO法人チーズプロフェッショナル協会も、温度帯による香りの変化に注目を促している。冷蔵庫から出してすぐの状態では脂肪分が固まっており、香気成分が封じ込められたままだ。常温に15分ほど戻すだけで、スモークチーズ本来の複雑なアロマが立体的に立ち現れる。専門家たちの知見は、私たちの日常的な味わい方に明確な指針を与えてくれる。