今でこそ知的なお天気キャスターとして知られる蓬莱氏ですが、その歩みは決して平坦なエリートコースではありませんでした。兵庫県明石市出身の蓬莱氏は、地元の兵庫県立明石西高等学校から名門・早稲田大学政治経済学部へ進学した秀才です。
しかし、大学卒業後の進路として選んだのは一般企業への就職ではなく、まさかの「俳優」の道でした。当時の特番インタビューや自著・手記で語られた『何者かになりたくて、夢中で舞台のオーディションを受け続けていた』という告白の通り、20代半ばまでは芸能事務所に所属し、舞台やドラマのエキストラ、CM出演などで食いつなぐ過酷な下積み生活を送っていました。
転機が訪れたのは25歳を過ぎた頃です。俳優としての将来に限界を感じて強い挫折感を味わっていた際、書店でふと手にした気象予報士の参考書に運命を感じ、一念発起して受験を決意しました。合格率わずか4〜5%と言われる超難関試験に対し、1日10時間以上の猛勉強を重ね、2009年(第32回試験)に見事合格を果たします。俳優時代に培った「表現力・度胸」と、大学で磨かれた「論理的思考力」が見事に融合し、唯一無二のキャスター像が誕生しました。