2007年の結成以来、17年間にわたり関西・全国の賞レースやバラエティ番組を駆け抜けてきた尼神インター。2026年3月末に発表された電撃解散と誠子の吉本興業退所は、お笑い界に大きな衝撃を与えました。ネット上では「激しい不仲が原因ではないか」「東京進出後の仕事の格差による亀裂か」といった不穏な憶測も飛び交いました。
しかし、当時の所属事務所である吉本興業の公式発表および両者のコメントを丹念に紐解くと、尼神インターの解散理由は「コンビとしてできることはすべてやり切った」という成熟した合意に基づいています。解散の議論が本格化したのは2026年末。30代後半という人生の転換期を迎え、芸人として、そして一人の人間として目指す方角が自然と分岐していった結果でした。
渚(現・ナギサ)は吉本興業に残り、泥臭く現場で笑いを取り続ける「生粋の芸人道」を突き進むことを選択しました。一方で誠子は、バラエティのひな壇で容姿いじりを受ける役割に終止符を打ち、食・文筆・ファッション・演技など、自らの感性を総合的に表現できる「フリー表現者」への道を選びました。
二人の関係性は、世間が面白おかしく書き立てるような「絶縁」ではありません。お互いが17年間の苦楽を共にした戦友であることを認めつつも、馴れ合いを排してそれぞれの選んだ道を尊重するための「健全な心理的バウンダリー(境界線)」を引いたと言えます。お互いの人生を縛り合わないための発展的解散劇でした。