卸売市場やスーパーマーケットの現場取材を行うと、農業行政の定義とはまったく異なる商業流通の論理が浮き彫りになります。
日本全国の中央卸売市場において、スイカは原則として「果実部(フルーツ担当)」の競り場に上場されます。大田市場をはじめとする主要市場の取引関係者によると、「スイカやメロン、イチゴを野菜部門で競りにかけると、仲卸やバイヤーの仕入れ動線が狂ってしまう。店頭でデザートとして並ぶ以上、流通コードも果物として登録するのが商取引上の常識」と証言しています。
全国の食品スーパーでも、スイカがキャベツやレタスの隣に陳列されることはまずありません。入り口付近の最も目立つ「旬のフルーツコーナー」にカットフルーツや丸ごと1玉の状態で配置されます。消費者が購入する目的が「副菜のおかず」ではなく「食後の甘味・デザート」であるため、小売ビジネスの現場では徹底して果物としてプロモートされているのが現実です。