おせちの炎上を巡っては、ネット上でまことしやかに語られる「ある種の思い込み」がさらなる失敗を引き起こしています。その最たるものが「生おせち(チルド)の方が高級で美味しく、冷凍おせちは安物で危険」という誤解です。
現実の製造・物流リスクをプロの視点から分析すると、事故発生率が圧倒的に高いのはむしろ「生おせち」です。冷蔵状態で配送される生おせちは、製造から消費までの消費期限が極めて短く、年末のトラック輸送中の温度上昇や、家庭での冷蔵庫の開閉による結露で一気に雑菌が繁殖します。また、煮汁の染み出しによる風味の劣化や、配送の揺れによる荷崩れを防ぐ防波堤がありません。
対照的に、現在の冷凍おせちは細胞を破壊しない「急速凍結技術」が標準化されており、マイナス18度以下で完全にロックされた状態で運ばれます。物理的に中身が動かないため、運送時の揺れによる型崩れリスクはチルド品に比べて極めて低く抑えられます。業界関係者の間では「元旦の安全を最優先するなら、信頼できる大手メーカーの冷凍おせちを選ぶのが鉄則」というのが共通認識となっています。