時透無一郎の戦死が描かれるのは、原作単行本第20巻の第179話「兄を想い 弟を想い」です。しかし、彼の壮絶な死闘自体は19巻の終盤から20巻全編にわたって繰り広げられており、その過程は鬼殺隊の戦いの中でも群を抜いて過酷なものでした。
始まりは第19巻・第164話。無限城で上弦の壱・黒死牟と最初に対峙した無一郎は、自身の先祖がかつて「始まりの呼吸」を操った継国巌勝(黒死牟の人間時代の名)であることを告げられます。圧倒的な格の違いを見せつけられ、第165話では開始早々に左腕を切り落とされ、自身の日輪刀で柱に串刺しにされるという絶望的な窮地に追い込まれました。
その後、岩柱・悲鳴嶼行冥と風柱・不死川実弥が合流して戦線が維持される中、無一郎は自力で刀を抜き、欠損した左肩からの激しい出血を布で縛り上げて再参戦します。そして第175話にて黒死牟の懐へ飛び込み胴体を刺し貫くものの、反撃の全方位刃によって胴体を両断(胴と下半身が切断)されるという、少年誌の限界を超えた致命傷を負いました。
それでもなお意識を保ち、刀を握る力を極限まで高めて「赫刀」を顕現。黒死牟の再生能力を奪い、勝利の道を拓いたのち、戦いが決着した第179話にて静かに息を引き取りました。同じく体を縦に割られた不死川玄弥とともに命を散らしたこの展開は、連載当時のジャンプ本誌および単行本発売時に読者コミュニティへ凄まじい衝撃をもたらしました。