『アイデア』の歌詞考察において、最も多くの議論を呼んだのが2番冒頭のフレーズ「おはよう 真夜中」です。
朝ドラの主題歌でありながら、歌詞の中で「真夜中」に「おはよう」と呼びかけるこの逆説的な言葉には、星野源ならではの人間観が色濃く反映されています。世間が眠り静まり返った深夜、あるいは人生における深い闇の中にいるとき、人は自分自身の孤独と対峙せざるを得ません。その闇をなかったことにするのではなく、しっかりと受け止めて挨拶を交わす姿勢こそが、星野源の描くリアリズムです。
また、楽曲の終盤に登場する以下のフレーズは、リスナーの間で「生きることへの究極の賛歌」として受け止められています。
「生きてただ雨を降らせて 濡れた頬はそのままに」
「つづく日々の道の先を 塞ぐ影にアイデアを」
涙を拭って無理に笑う必要はない。濡れたまま、泥臭く、それでも発想の転換(アイデア)を持って一歩を踏み出す——。このメッセージは、現代社会でプレッシャーや孤独に押しつぶされそうになる多くの人々の心に、深い救いとして響きました。