国内の住宅で圧倒的シェアを誇るTOTOとLIXIL(旧INAX)では、タンク内部の構造や使われている部品の規格に明確な違いがあります。部品交換を行う際は、必ずメーカーごとの設計特性を把握しておく必要があります。
■ TOTO製トイレの構造特性と修理ポイント
TOTOのタンクで近年主流となっているボールタップは、機械的なバルブではなく「ダイヤフラム」と呼ばれる薄いゴム膜パッキンで水圧を制御しています。給水が止まらない、あるいは手洗い管からの水がチョロチョロと出続ける場合、ボールタップ本体(数千円)を丸ごと交換しなくても、内部のダイヤフラム部品(数百円〜千円前後:型番TH405Sなど)を取り替えるだけで劇的に症状が改善するケースが多く見られます。また、ゴムフロートには一般的な球状ゴムだけでなく、排水弁ユニットごと引き上げる特殊形状のものもあるため、タンク品番(タンク前面または側面のシールに「SH」や「CS」から始まる英数字で記載)の照合が必須です。
■ LIXIL(INAX)製トイレの構造特性と修理ポイント
LIXIL(INAX)のトイレでは、フロート弁のゴム玉(「大」と「小」で直径が異なる)に独特の形状が採用されている場合があります。特に「TF-10R-L(大玉)」や「TF-10R-M(小玉)」などの純正マルチパーツが広く流通していますが、ゴム玉のサイズ選定を誤ると排水口に綺麗に密着せず水漏れが止まりません。また、LIXIL製品の一部にはオーバーフロー管の周囲にガイド棒が立っており、フロート弁がその棒に沿って上下する構造のものもあります。クサリの長さ(玉鎖のリング数を余らせずに適正な張り具合に調整すること)が極めてシビアなため、取扱説明書の指定リング数を確認しながら取り付けるのが成功の秘訣です。