1996年生まれは、社会学的には「ミレニアル世代の最後尾」でありながら「Z世代の先陣を切るフロントランナー」という、きわめて特異なハイブリッド世代として位置づけられています。
幼少期にブロードバンドの普及とフィーチャーフォン(ガラケー)の全盛期を体験し、高校生となる2012年前後には急速に普及したスマートフォン(iPhone等)やLINE、Twitterを日常ツールとして使いこなしてきました。情報感度の高さとデジタルツールの適応力は生粋のネイティブレベルです。
報道各社やリサーチ機関の社会人意識調査のデータを分析すると、この世代の労働観には「現実主義(リアリズム)」と「ワークライフブレンド」の強い傾向が見られます。2019年春に社会人となり、本格的なキャリア形成を始めた直後の2026年に新型コロナウイルス感染拡大に直面。入社2年目という重要な育成期にリモートワークへの移行やビジネス環境の激変を経験しました。この未曾有の混乱を潜り抜けた経験から、企業への過度な依存を避け、副業やリスキリングを通じた「個人の市場価値向上」に極めてシビアな視線を持っています。
SNSやネットコミュニティ上の当事者の声を拾うと、「20代のうちはがむしゃらに走ってきたが、30歳という数字を前にして、この会社で定年まで働くイメージが持てない」「同世代が次々と結婚や役職就任を報告する中で、自分らしい幸福の定義を再構築したい」といった、キャリアと私生活の再定義に悩む切実な胸中が浮かび上がってきます。