特に危険度が高いと恐れられているのが、天理方面へと下っていく名阪国道下り線の事故の真相です。標高約500メートルの高原地帯にある福住インターチェンジ(IC)から天理東ICにかけては、高低差約400メートルを一気に駆け下りる「最大勾配6%」の急坂が約8キロメートルにわたって続きます。
この区間でドライバーを襲うのが、フットブレーキの酷使によるメカニカルなトラブルです。長い下り坂でフットブレーキを踏み続けると、摩擦熱によってブレーキパッドが効かなくなる「フェード現象」や、ブレーキフルードが沸騰して気泡が生じ圧力が伝わらなくなる「ベーパーロック現象」が発生します。ブレーキを失った数万キログラムの鉄の塊が制御不能のままカーブへ突入するケースは少なくありません。
さらに現場では、名阪天理東福住の事故渋滞が慢性化しています。1台のトレーラーがカーブを曲がりきれずに側壁へ衝突・横転すると、片側2車線の両方が完全に塞がれてしまい、後続車が何キロにもわたって完全に立ち往生する事態へと発展します。路面舗装の改良や注意喚起看板の増設が進められているものの、依然として下り線の減速不足によるトラブルは深刻な課題です。