これほど高いレベルの文化事業が地方都市で持続的に提供されている背景には、事業の企画・運営を担う水戸市芸術振興財団の存在がある。単にトップアーティストの公演を招聘するにとどまらず、地域住民や学校に向けたワークショップ、音楽アウトリーチ活動を長年にわたり地道に続けてきた。
市民が日常的に質の高いアートに触れられる環境を整えてきた結果、館内の広場は市民の憩いの場として完全に定着している。芸術館そのものが街の誇りであり、アイデンティティとなっているのだ。地域文化の底上げを図りながら世界へ向けてアートを発信し続けるこのアプローチは、全国の公立文化施設の模範として注目を集めている。