「最近テレビで見ない」という声の裏にあるのは、引退や仕事の激減といったネガティブな理由ではない。西村まさ彦が選んだのは、消費スピードの速い民放ドラマのルーティンワークから一歩引き、自身が本当に情熱を傾けられる表現活動へシフトするという、極めて自覚的な決断だった。
改名を行った2017年頃から、彼は単なる「演じ手」にとどまらず、企画やプロデュース、さらには後進の指導に時間を割くようになった。オファーされた役柄をこなすだけの多忙な日々から抜け出し、表現者としての純度を保つための選択だったと言える。
テレビ局主導のキャスティングに身を委ねるのではなく、自らの足で全国を回り、観客とダイレクトに対峙する生の舞台や文化プロジェクトを優先する姿勢が、結果として「地上波での露出減少」という印象を生んでいるのだ。