瀬尾まいこが描く救済の物語:名作群の秘密と映像化の魅力を解剖

瀬尾まいこが描く救済の物語:名作群の秘密と映像化の魅力を解剖

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2019年、文藝春秋から刊行された『そして、バトンは渡された』が本屋大賞を受賞した瞬間、全国の書店員から歓喜の声が上がった。全国の書店員で構成される本屋大賞実行委員会が「いま、いちばん売りたい本」として選出したこの作品は、血のつながらない親たちの間をリレーのように育まれてきた主人公・優子の半生を描いたものだ。

設定だけを見れば、一見して複雑で困難な境遇に思えるかもしれない。だが、本作の根底にあるのは不幸の嘆きではなく、注がれ続けた惜しみない愛情の記録だ。親が変わるたびに苗字が変わり、家庭環境が一変する。それでも彼女を取り巻く大人たちは、それぞれの不器用なやり方で優子を愛し抜いた。家族とは血縁という制度によってのみ定義されるのか。瀬尾まいこが投げかけたこの根源的な問いは、多様な生き方を模索する現代社会に深く刺さり、多くの人々の涙を誘った。

山崎 陸
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山崎 陸

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