「なぜ、あの会社の実名が公表されたのか」という疑問を抱く人は少なくありません。行政機関や警察庁が特定企業の実名を公に晒す背景には、各都道府県が定めた暴力団排除条例(暴排条例)の厳格な法的手続きが存在します。
暴排条例における企業名の公表は、単なる一度の不注意や過失だけで即座に行われるわけではありません。警察当局による徹底した内偵捜査を経て、反社会的勢力への利益供与や威力の利用が確認された場合、まず公安委員会から「指導」や「勧告」が行われます。この暴排条例勧告に従わず、正当な理由なく違反行為を継続した場合にのみ、最終処分として企業の実名公表へと踏み切られる仕組みです。
公表にまで至る企業の特徴として際立つのは、「反社会的勢力だと薄々気づいていながら、過去のしがらみや個人的な貸し借り、あるいは目先の利権のために取引を断ち切れなかった」という構図です。関係者の供述調書や調査報告書によれば、現場担当者が違和感を覚えて経営陣に相談したものの、「昔からの付き合いだから問題ない」「穏便に済ませろ」と握りつぶされ、結果として組織ぐるみでの関与と見なされた事例が後を絶ちません。