港や海岸沿いで圧倒的な存在感を放つのが、草間彌生による野外彫刻作品だ。なかでも海に突き出た古い桟橋に鎮座する「黄色いカボチャ」は、直島を象徴するアイコンとして世界中に知られている。青い海と空、そして緑豊かな島々の背景に、無数の水玉模様を纏った鮮やかな黄色が鮮烈なコントラストを描き出す。
間近で鑑賞すると、潮騒の音や波しぶきが作品の一部であるかのように思えてくるから不思議だ。時間帯によって変化する日光の当たり方や、夕刻のシルエットも実に味わい深い。美術館の壁を飛び出し、瀬戸内の自然と一体化した野外作品は、現代アートが持つ自由なエネルギーをダイレクトに体感させてくれる。