人物の可愛らしさを決定づける最大の要素は、輪郭に対するパーツの配置バランス、いわゆるかわいい顔の黄金比です。初心者が陥りがちな典型例として「頭部全体の中心線よりも上に目を描いてしまう」ケースが挙げられます。成人の骨格では中心付近に目が位置しますが、イラスト表現で愛らしさや幼さを強調する場合、頭頂部からアゴ先までの全長の約45〜48%(中央よりやや下)に目のラインを置くのが鉄則です。
また、左右の目の間隔は「目1つ分」を開けるのが基本とされますが、愛嬌を際立たせるなら目1つ分よりもわずかに広めに設定すると、親しみやすい柔らかな表情が生まれます。さらに、鼻と口の距離をできる限り詰め、下唇からアゴ先までの余白に適度なゆとりを持たせることで、求心力のある垢抜けたフェイスラインが完成します。
そして命とも言える「目」の描写では、瞳のハイライト位置と光の透過感が鍵を握ります。瞳の上部に濃い影を落としつつ、下部に環境光を反射させた明るいグラデーションを差し込むだけで、イラストに瑞々しい生命感が宿ります。瞳孔のフチを柔らかくぼかす処理も、視覚的な透明感を高めるプロ愛用のテクニックです。