世間が彼を「CMのお父さん」として広く認知する遥か以前から、清水は日本のエンターテインメント界を支える実力派俳優として確固たる地位を築いていた。
若き日に東映の門を叩き、泥臭くも熱気あふれる映画の黄金期を現場の最前線で体感。凄みのある悪役から実直な会社員、飄々とした隣人まで、演じ分けの幅広さは業界内でも折り紙付きだった。特に時代劇における重厚な存在感は際立っており、1983年の名作『徳川家康 (NHK大河ドラマ)』をはじめとするNHKの歴史劇でも、骨太な演技で作品の屋台骨を支えた。
さらに、映画史に燦然と輝く伊丹十三監督の『ミンボーの女』など、日本映画の重要作にも相次いで出演。スクリーン越しに放つ独特の緊張感と人間味は、多くの映画監督たちから重宝された。コミカルなCMの顔は、分厚いキャリアのほんの一側面に過ぎなかったのである。