日本のインターネット史を語る上で、巨大掲示板の存在を避けて通ることはできない。2000年代初頭、サブカルチャーの枠を越えて社会現象となった「電車男」のブームは、アンダーグラウンドだった掲示板の熱気を一気にマス層へと解き放った。雑多で混沌としたテキストログを再構成し、物語やニュースとしてパッケージ化する手法は、この時代に産声を上げている。
やがてブログサービスの普及とともに、この編集手法は急速に産業化していった。その牽引役となったのが株式会社ライブドアである。同社が提供するライブドアブログは、まとめ運営者に最適化された機能と手厚いサポートを提供し、群雄割拠の時代を築き上げた。「痛いニュース(ノ∀`」をはじめとする草分け的メディアは、数千万単位の月間ページビューを叩き出し、新聞社や通信社に匹敵する影響力を持つに至る。独特のスラングと毒気を含んだ匿名掲示板文化は、洗練されたWebパブリッシングの仕組みと融合することで、未曾有のトラフィックモンスターへと成長したのだ。