メリットが際立つ合同墓だが、契約を結ぶ前には必ず把握しておくべき注意点も存在する。なかでも最大の留意点は、「一度合葬された遺骨は二度と取り出すことができない」という物理的不可逆性だ。将来的に「やはり田舎の先祖代々の墓に移したい」「別の場所に新しい墓を建てたい」と思っても、他の遺骨と混ざり合って埋葬された後は分骨や改葬が不可能となる。
そのため、本人が生前に独断で契約を進めてしまうと、死後に親族間で深刻なトラブルに発展しかねない。親兄弟や子どもに対し、「なぜ都心の合同墓を選んだのか」「自分亡き後の供養はどうなるのか」を丁寧に説明し、事前の理解と合意を得ておくことが極めて重要だ。本堂で毎日執り行われる読経や合同法要のあり方についても、家族とともに現地を見学し、納得した上で決断することが後悔を防ぐ鍵となる。