世界的な大ヒットドラマ『ブレイキング・バッド』や、Netflixで配信されている数々の法律・クライムドキュメンタリーに触れ、薬物犯罪の世界をどこか遠いスクリーンの向こう側の出来事だと錯覚している人は少なくない。しかし、日本の司法プラットフォームが薬物犯罪者に下す審判は、エンターテインメントとは完全に切り離された極めてドライで冷徹なものだ。
裁判所は被告人の人間的なドラマや言い訳に耳を傾ける場ではない。問われるのは客観的な事実関係と、再び違法薬物に手を染めない客観的・医学的な担保のみである。海外作品のような派手な司法取引が存在しない日本の法廷において、曖昧な感情論で情状酌量を訴えても裁判官の心証を動かすことはできない。