桑田佳祐『明日へのマーチ』誕生秘話と15年目の真実【歌詞と復興】

桑田佳祐『明日へのマーチ』誕生秘話と15年目の真実【歌詞と復興】

話題沸騰中の 桑田佳祐『明日へのマーチ』誕生秘話と15年目の真実【歌詞と復興】について、主要な情報をご紹介しています。

長年にわたり愛されている本作ですが、インターネット上の一部コミュニティや後追いのリスナーの間では、いくつかの誤認や疑問が囁かれてきました。その最たるものが「大手通信キャリアのCMのために作られたタイアップ優先の商業ソングだったのではないか」という穿った見方です。

実際には構図がまったく逆でした。当時ドコモ側は、東日本大震災の被害によって通信インフラの重要性と脆弱性が浮き彫りになる中、携帯電話が「人と人をつなぐライフライン」であることを誠実に伝えるキャンペーンを模索していました。桑田佳祐が復興への願いと日々の営みへの眼差しを込めて制作していたスケッチが、ドコモの「一人ひとりに寄り添う(walk with you)」という企業メッセージと奇跡的に合致し、CM起用へと結びついたというのが制作現場の真実です。

また、同シングルに同時収録された『ハダカ DE 音頭 〜祭りだ!!〜』に対して、当時「震災の年にこのようなエロティックでふざけた音頭をトリプルA面に入れるのは不謹慎ではないか」という議論がネット掲示板などで巻き起こったことがあります。しかし、これこそが桑田佳祐という表現者の真骨頂でした。過度な自粛ムードで活気を失っていた日本に対し、落語のようなナンセンスと生命力に満ちたエロスをぶつけることで、「生きるエネルギー」を全方位から呼び戻そうとしたのです。崇高な祈り(『明日へのマーチ』)、連帯の意志(『Let's try again 〜kuwata keisuke ver.〜』)、そして猥雑な生命賛歌(『ハダカ DE 音頭』)という3曲が揃って初めて、桑田流の完全な「人間肯定」が成立していました。

中川 明日香
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中川 明日香

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。