エストロゲン製剤の投与を継続すると、男性の体内でも乳腺組織が発達し始めます。ここで留意すべきは、一度発達した乳腺組織は薬の投与を中止しても自然には消滅しないという事実です。これが「女性化乳房の不可逆性」と呼ばれる重大なリスクです。
投与初期の乳頭痛やしこりから始まり、次第に外見からもはっきりと膨らみが分かる状態へと進行します。後から「やはり元の男性の身体に戻したい」と望んでも、すでに肥大した乳腺は元に戻らず、最終的には外科手術による切除以外に治療法がなくなるのが通例です。薄着になる季節に周囲の視線を恐れたり、温泉やプールに入れなくなったりと、日常生活における深刻なストレス要因となり続けます。