少し奥のテクノロジーエリアへ足を運ぶと、これまでの産業まつりでは見かけなかった白衣姿の研究者たちが立っていた。掲げられたパネルには「未利用バイオマスの循環経済」の文字。かつては廃棄される運命にあった規格外のマンゴーやパイナップルの皮、製糖工場から出るバガスが、高機能な化粧品原料や生分解性プラスチックへと姿を変えて並んでいる。
南国の強烈な紫外線と潮風を生き抜く亜熱帯植物には、独自の抗酸化物質が凝縮されている。これを単なる農作物として安売りするのではなく、精密な抽出技術で高付加価値化する試みだ。並べられた試供品の美容液を手にとってみる。ベタつきが一切なく、肌に吸い付くようなテクスチャー。観光立県という看板の裏で、着実に育っていたディープテックの芽が、2026年の今、一気に花開き始めている。