大手ブログプラットフォームの闘病記カテゴリーやSNS上では、ステージ4と闘う患者たちの赤裸々な「生の声」が日々発信されています。それらの記録を精査すると、医学データだけでは見えてこない、生活者としてのリアルな苦悩と工夫が浮かび上がってきます。
当事者の投稿で最も多く語られるのは、抗がん剤治療に伴う副作用の過酷さです。特にオキサリプラチンによる「末梢神経障害(手足の強いしびれ、冷たいものに触れた時の激痛)」や、イリノテカンによる頑固な下痢・倦怠感は、日常生活の動作(ボタンを留める、家事をする、歩行するなど)を著しく制限します。「家族に迷惑をかけているのではないか」という自責の念から、精神的な孤立感を深めてしまう様子も数多く綴られています。
こうした中、現場の潮流として決定的な変化をもたらしているのが「早期緩和ケアの導入」です。かつて緩和ケアといえば「抗がん剤が効かなくなり、治療を諦めた患者が最後に行く場所」という誤ったイメージが定着していました。しかし現在の医療現場では、ステージ4と告知された直後から緩和ケアチームが介入することが強く推奨されています。
オピオイドを中心とした鎮痛薬によるがん疼痛の早期コントロール、吐き気やしびれの適切なマネジメント、そして公認心理師や医療ソーシャルワーカーによる精神的・経済的支援を治療開始と同時に並行して行うことで、患者の消耗を最小限に食い止めることができます。結果として副作用に耐えうる体力が維持され、抗がん剤治療を長期間にわたって完遂できるようになり、生活の質(QOL)だけでなく生存期間そのものが延びることが科学的にも証明されています。