「白バス」とは、国(国土交通大臣)から一般貸切旅客自動車運送事業などの経営許可を受けず、自家用車を表す「白色のナンバープレート」をつけたまま、対価(運賃や謝礼など)を得て人を乗せて運送する車両およびその違法行為を指す通称です。
法律上の根拠となるのが道路運送法第4条(事業の許可)および第78条(自家用自動車の有償運送の禁止)です。同法第78条では、「自家用自動車は、災害のため緊急を要するとき、その他政令で定める特別の事由がある場合を除き、有償で運送の用に供してはならない」と厳格に規定しています。つまり、対価を受け取って人を運ぶビジネスを行えるのは、国から基準をクリアして許可を得た「事業用自動車(緑色ナンバープレート)」に限られているのです。
よく混同される概念として「白タク」があります。法的な位置づけや違法性の本質は全く同じですが、業界および法執行の現場では主に運送に使用する車両の規格と乗車定員によって呼び分けられています。
- 白タク(自家用タクシー営業):乗車定員10人以下の普通乗用車やミニバン(アルファード、ハイエースのワゴン仕様など)を用い、タクシーのように少人数を有償で運送する行為。
- 白バス(自家用バス営業):乗車定員11人以上の車両(マイクロバス、中型・大型バス、コミューターなど)を用い、団体客やツアー客などをまとめて有償で運送する行為。
乗車定員が11人以上のマイクロバスなどは、運転に中型免許(限定なし)や大型免許が必要となるだけでなく、事故が発生した際の死傷者規模が桁違いに大きくなります。それにもかかわらず、安全管理体制を無視して運行されるため、白タク以上に社会的な危険性が極めて重く見なされています。