うなぎと食べ合わせが悪いものは嘘?梅干しやスイカの真相とNg食材

うなぎと食べ合わせが悪いものは嘘?梅干しやスイカの真相とNg食材

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日本には古来、一緒に食べることで健康を害すると信じられてきた「合食禁(がっしょくきん)」あるいは「食い合わせ」と呼ばれる伝承が数多く存在します。江戸時代の医師・人見必大が著した『本朝食鑑』(1695年)や、儒学者・貝原益軒の『養生訓』(1713年)などには、様々な食べ合わせの禁忌が記されています。

顕微鏡も栄養分析機器もなかった時代に、なぜ「うなぎ×梅干し」が合食禁の筆頭に挙げられたのか。歴史文献や民俗学の調査を紐解くと、主に3つの歴史的背景が浮かび上がってきます。

第一に挙げられるのが、「贅沢・過食への戒め」です。江戸時代において、天然のうなぎは庶民にとって滅多に口にできない高級品でした。一方、梅干しは強力な食欲増進作用を持っています。さっぱりした梅干しを一緒に食べると、脂っこいうなぎがいくらでも食べられてしまい、過食による胃腸炎を起こしたり、当時の家計を破綻させたりする恐れがありました。「一緒に食べると毒になる」とあえて大げさに脅すことで、民衆の暴飲暴食と散財を戒めたという説が有力です。

第二の理由は、「傷んだ食材による食中毒の予防」です。冷凍冷蔵設備が存在しなかった時代、夏の暑い盛りに獲れるうなぎは極めて腐敗しやすい魚でした。腐敗が始まると酸味を帯びますが、酸っぱい梅干しを一緒に口にしていると、うなぎが傷んでいるのか、梅干しの酸味なのか判別がつかなくなります。腐敗に気づかず食べ進めてしまい、命に関わる食中毒を起こす事故を防ぐための、極めて実践的な生活防衛の知恵だったのです。

第三の理由は、陰陽五行思想に基づく「脂と酸の相克説」です。当時の医書では「酸味が脂を凝固させ、腹中に滞る」と信じられていました。現代科学から見れば誤りですが、当時の理論体系の中では筋の通った説明として受け入れられていました。

先人たちの戒めは、単なる無知によるオカルトではなく、限られた生活環境の中で命と生活を守るために編み出された合理的な防衛策だったと言えます。

山崎 陸
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山崎 陸

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