コンクリート工事を検討する上で、見積書の「目地(めじ)」という項目を軽視してはいけません。面積が広くなるほど、土間コンクリートの割れ防止目地は必須の構造部材となります。
目地には主に以下の種類があり、意匠性とコストのバランスを左右します。
- エキスパンタイ(伸縮目地):アスファルト系や樹脂製の既製目地材。平米単価を最も安く抑えられる実用的な選択肢。
- スリット目地(砂利・タマリュウ・人工芝):コンクリートの間に幅5〜10cmほどの隙間を空け、砕石や植物を入れる手法。デザイン性が高く人気があるが、植物の枯死や雑草処理の手間が課題。
- レンガ・ピンコロ石・インターロッキング目地:意匠性を重視した高級仕様。材料費と職人の手間がかかるため見積もりは高額化する。
一般的に、目地のない一枚のコンクリートブロックは約10〜15㎡(車1台分程度)が限界とされています。2台分以上の面積を打設する場合、目地を全く入れずに施工するのは施工不良を招く重大な過失と言えます。
「DIYで安く浮かせよう」という甘い罠
近年、動画共有サイトなどで「土間コンクリートをDIYで自作した」という動画を目にし、材料費だけで安価に仕上げようと挑戦する人が散見されます。しかし、駐車場コンクリートのDIYは、素人が手を出してはならない最も危険な領域です。
砂やセメント、砂利、ワイヤーメッシュなどの資材購入費だけであれば、車1台分で5万〜8万円程度に収まるように見えます。しかし、現実は甘くありません。車輪の重荷重(1〜2トン)に耐えるには、深さ20cmの土を掘り起こす必要があります。15㎡の面積を深さ20cmすき取ると、排出される土の量は約3立方メートル(重さ約4〜5トン)に達します。これをスコップと猫車で掘り出し、処分場まで運搬するのは一般人にはほぼ不可能です。
さらに、生コン車から流し込まれるコンクリートは夏場なら1時間も経たずに固まり始めます。時間との闘いの中で均等に高さを均し、水勾配をつけ、気泡を抜き、金ゴテで平滑に仕上げる作業は、長年の修行を積んだプロでも複数人がかりで行う過酷な作業です。
もし表面が凸凹のまま硬化してしまえば、やり直しには重機を使ったコンクリートの「斫り(はつり)解体」が必要になり、解体撤去費用だけで通常の施工費を上回る30万〜50万円の追加出費が発生します。「安くしようとして最終的に業者の通常価格の2倍近く払うことになった」という実例が後を絶たないのが、土間コンDIYの恐ろしい現実です。