給料の低さに加え、離職を後押しするのが労働密度の高さです。元飼育員の退職手記や現場インタビューでは、以下のような過酷な現実が生々しく語られています。
「朝一番の仕事は、数十キロに及ぶ糞尿の掻き出しと、高圧洗浄機を使った冷水での獣舎清掃。冬場は手足の感覚がなくなり、夏場は熱中症との戦いになる。腰を痛めてヘルニアを患う同僚は数知れず、大型動物の不意な動きによる骨折や咬傷事故のリスクと常に隣り合わせだった」(元地方私立動物園飼育員・30代男性)
さらに、多くの施設ではシフト制が敷かれ、土日祝日やゴールデンウィーク、年末年始の出勤は当たり前です。動物園飼育員の福利厚生は施設によって格差が激しく、公立や大手運営施設では有給休暇や産休・育休の取得が進んでいる一方、中小民間施設では人員カツカツの状態で運営されており、「自分が休むと動物の餌やりが回らない」という精神的プレッシャーから、有給を消化できない現場も存在します。