これまでの出演作を振り返ると、監督やプロデューサーが「ここぞという重要な場面」で彼女を起用してきた歴史が見て取れます。映画界では西川美和監督の長編デビュー作『蛇イチゴ』(2003年)や園子温監督の『冷たい熱帯魚』(2011年)など、人間の深層心理を抉り出す作品で印象深い好演を残しました。
テレビドラマにおいてもその実力は存分に発揮されています。代表的な例が、テレビ朝日系の国民的刑事ドラマ『相棒 season16』第8話「ドグマ」への出演です。事件の鍵を握る複雑な背景を抱えた女性を演じ、特命係の捜査に対峙する迫真の演技は、目の肥えた相棒ファンの間でも大きな反響を呼びました。
彼女の芝居の真骨頂は、セリフのない沈黙の瞬間に漂う感情のグラデーションにあります。派手なアクションや誇張された感情表現に頼らず、眼差しの動きや呼吸ひとつで登場人物の人生の重みを伝える技量は、日本屈指のバイプレイヤーと称される所以です。