結婚と同時に世間を驚かせたのが、青山京子の「完全引退」でした。人気・実力ともに円熟期を迎え、女優としてさらなる飛躍が期待されていた時期だっただけに、関係者やファンからは引退を惜しむ声が相次ぎました。
彼女が表舞台を去った最大の理由は、「家庭に入り、夫が仕事に専念できる環境を命がけで守る」という強い信念にありました。映画会社の看板を背負い、昼夜を問わず過酷な撮影や興行に身を投じる小林旭の姿を間近で見ていた彼女は、自分が家庭を盤石なものにしなければ夫の芸能生活は成り立たないと直感したのです。
引退後、映画やドラマへの復帰話や対談企画などのオファーが幾度となく寄せられましたが、彼女はそれらをすべて丁重に断り続けました。一度決めた道を曲げず、決して前に出ようとしないその潔い姿勢は、映画関係者の間でも深い敬意をもって受け止められました。