太宰府天満宮の表参道には数多くの甘味処が並びますが、店頭にできる行列の長さで群を抜いているのがかさの家です。かつて旅籠(はたご)として創業し、100年以上の歴史を紡いできた同店が不動の人気を誇る理由は、徹底した素材へのこだわりと生地の焼き加減にあります。
梅ヶ枝餅の主原料は、もち米とうるち米、そして小豆と砂糖、塩のみという極めてシンプルな構成です。だからこそ、ごまかしが一切ききません。かさの家では、厳選した国産小豆を丁寧に炊き上げた風味豊かな粒餡を、独自の配合比率でブレンドした米粉の生地で包み込んでいます。甘さを程よく抑えた餡は後味が非常に軽やかで、重たさを感じさせません。
さらに特筆すべきは、外側の「カリッ」とした香ばしさと内側の「モチッ」とした伸びのコントラストです。店頭の鉄板型で両面から一気に圧力をかけて焼き上げることで、表面にごく薄いクリスピーな膜が形成されます。参道を歩きながら熱々の焼き立てを頬張ると、香ばしい米の香気とともに滑らかな餡が口いっぱいに広がり、思わず笑みがこぼれるほどの満足感を味わえます。