日本の焼売文化を語る上で、横浜名物として不動の地位を築く崎陽軒の存在を外すことはできない。冷めても美味しい弁当の主役として愛され続けるあのシウマイは、豚肉と干し貝柱の濃厚な旨味を、極めて薄く口溶けの良い皮が見事に包み込んでいる。食品・外食産業全体を見渡しても、名店の味を自宅で再現しようとする「クラフト点心」の潮流はかつてない盛り上がりを見せている。
かつて伝説的な料理漫画『中華一番』に描かれたような、職人が魂を込めて包み上げる点心の情景は、もはや遠いフィクションではない。NHKの長寿番組『きょうの料理』などでも定期的に本格手作り焼売が特集されるように、食のプロたちが発信する知恵が一般家庭へと急速に浸透している。
外食チェーンが機械化とコスト削減を進める現代だからこそ、自らの手で粉を捏ね、餡を包み、蒸篭で蒸し上げるという行為そのものが、贅沢な食体験として再評価されているのだ。