大相撲界を席巻する大関・豊昇龍は、平成の大横綱として一世を風靡した第68代横綱・朝青龍(ドルゴルスレン・ダグワドルジ氏)の甥にあたる存在です。本名はスガルラグチャー・ビャンバスレン。モンゴルの首都ウランバートル出身で、父親のスガルラグチャー氏は朝青龍の長兄であり、かつてレスリングやモンゴル相撲で活躍した名選手でした。
ドルゴルスレン家といえば、モンゴル国内でも知られる屈指の格闘技一族です。祖父はモンゴル相撲の元王者、父親や叔父たちもレスリングや格闘技のトップアスリートとして名を馳せてきました。そうした恵まれた血統の中に生まれたビャンバスレン少年ですが、最初から大相撲の世界を目指していたわけではありませんでした。幼少期からモンゴル相撲やレスリングに親しみ、天性の敏捷性と勝負勘を自然と磨いていったのです。
偉大すぎる叔父・朝青龍の存在は、幼い頃から常に誇りであると同時に、後に角界へ進む彼にとって巨大な比較の対象ともなっていきます。しかし、本人はそのプレッシャーを重圧ではなく自らを奮い立たせる原動力へと変えていきました。