原作ファンの間で根強い人気を誇るのが、江戸川コナンと灰原哀の特別な関係性、通称「コ哀(コあい)」の絆です。同じ薬によって体を小さくされ、元の姿に戻るという共通の目的を持つ二人は、恋人の毛利蘭とは異なる「唯一弱みを共有できる運命共同体」として描かれています。
象徴的なのが、単行本31巻 File.5〜7「網にかかったネット」です。自分を「深海から逃げてきたサメ」に例えて孤立を好もうとする灰原に対し、コナンは「逃げるなよ灰原…自分の運命から…逃げちゃダメだ…」と力強く言葉をかけます。また、単行本38巻 File.2〜4「夕陽に染まった雛人形」では、夕陽を眺めながら切なげな表情を浮かべる灰原の心情が繊細に描写され、コナンに対する秘めた信頼と淡い憧れが示唆されました。
劇場版『黒鉄の魚影(サブマリン)』でも大きくクローズアップされた二人の関係ですが、原作漫画においても灰原がコナンの推理を阿吽の呼吸でサポートし、危険を察知すれば誰よりも早くコナンの盾になろうとする描写が随所に散りばめられています。恋愛感情を超越した「背中を預け合える戦友」としての絆は、連載が進むほど深みを増しています。