近年の臨床研究で急速に関心を集めているのが、SIBO(Small Intestinal Bacterial Overgrowth:小腸内細菌異常増殖症)と乳酸菌の相性問題だ。
本来、大腸に多く存在するはずの細菌が小腸内で爆発的に増えてしまうこの病態において、追加の乳酸菌投与は「火に油を注ぐ」行為になりかねない。小腸内で乳酸菌が過剰発酵を起こすと、大量の水素ガスやメタンガスが発生。これが激しい腹部膨満感や逆流症状、強い痛みの元凶となる。
2026年現在の消化器医学界では、「腸活を始めてから逆にお腹が張る」という患者に対して、まずSIBOの可能性を疑うプロトコルが標準化しつつある。健康のためと思って飲んでいた乳酸菌サプリメントが、皮肉にも小腸の環境をさらに悪化させていたという事例は後を絶たない。