一方で、店舗から離れた集落に暮らす高齢者にとって、日々の食材確保は死活問題だ。この課題に正面から挑んでいるのが、地域を細かく巡回する移動販売車「とくし丸」の運用強化である。
単に商品を運ぶだけではない。2026年に本格導入されたスマートタブレット端末を各車両に搭載し、買い物時の会話や体調の変化を記録。離れて暮らす家族へ自動で無事を確認できる見守りネットワークを構築した。「毎週この車が来るのが生きがい。顔を見て話ができるだけで心が安らぐ」と、笑顔を見せる一人暮らしの利用者は語る。
豪雪地帯である道東の冬、道路状況が悪化するなかでも途絶えることなく走る移動販売は、過疎化が進む地域社会において単なる売店を超えた「命のライフライン」としての機能をしっかりと果たしている。