かつて「トヨタ村」と称されたこの広域都市施設は、今やシリコンバレーの先端IT企業とドイツの伝統的自動車メーカーを融合させたような独特の熱気に包まれている。本社敷地内に一歩足を踏み入れると、行き交う社員の顔ぶれは著しく多国籍化していることがわかる。
役員フロアの空気は緊迫している。かつての自前主義を完全に捨て去り、世界中のテックスタートアップや半導体ジャイアントとの提携がこの1番地で次々と調印されてきた。巨大な組織でありながら、判断のスピードは格段に上がっている。現場のエンジニアが語る。「ここでは昨日までの常識が翌朝には覆る。過去の成功体験に浸っている暇は一秒もない」