なぜサンリオは、このようなアヴァンギャルドなキャラクターを世に送り出したのでしょうか。その背景には、1990年代後半のゲーム市場における激動の歴史があります。
1996年に登場した『ポケットモンスター』の大ヒットを受け、当時のゲーム業界ではモンスター育成・収集RPGというジャンルが爆発的なブームを迎えていました。サンリオもこの潮流に乗り、自社の持つ圧倒的なキャラクター力とモンスター収集RPGを融合させた意欲作として『サンリオタイムネット 過去編 / 未来編』を企画。サンリオ ぼーや 発売日である1998年11月27日に2バージョン同時リリースを果たしました。
本作には「ときのかけら」と呼ばれるオリジナルモンスターが多数登場し、従来のサンリオファンである女児層だけでなく、ゲームボーイに熱中する少年層の開拓も目指していました。当時の月刊誌『コミックボンボン』では『冒険時空タイムネット』としてコミカライズ連載も展開され、サンリオのレトロキャラクター史における一大メディアミックスプロジェクトとして展開されたのです。
制作には著名なクリエイター陣が関わっており、サンリオ ぼーや デザイナーをはじめとするモンスターデザイン陣には、当時のゲーム業界を牽引していた精鋭が集結していました。サンリオの「みんななかよく」という企業理念を根底に置きつつも、90年代特有のサブカルチャー的エッジを効かせた挑戦的な試みであったといえます。