インターネット上の掲示板やSNSでは、時折10種類以上のカスタマイズを詰め込んだ「スタバ 呪文 最長」の注文レシートが数万リツイートを集めます。編集部が都内および主要都市のスターバックス勤務経験者5名に実施したヒアリング調査によると、現場のバリスタがこうした極端なオーダーに抱く本音は極めて現実的です。
都内繁華街の旗艦店で3年間シフトスーパーバイザーを務めた元バリスタのA氏(28歳)は、現場の実情を次のように証言します。
「SNSでネタになっているような数十文字の呪文を早口で言われると、入力画面のタブを行き来しなければならず、かえって列の進行が止まってしまいます。一番ありがたいのは、パーツごとに区切って話してくれるお客様か、スマホのカスタマイズ画面を無言で見せてくださるお客様です。店員側は呪文をすらすら言えるかどうかなど全く気にしていませんし、噛んでしまっても何も思っていません」
また、味覚の観点からも、素材を過剰に追加しすぎるとフラペチーノ本来の氷の質感(テクスチャー)が崩壊し、甘さと油分が喧嘩して水っぽい泥状の飲み物になってしまうリスクが跳ね上がります。プロの現場が口を揃えて推奨するのは、「ベースとなる味に対して、主役となるカスタムを1〜2点だけ絞り込むこと」です。