2015年に勃発した六代目山口組と神戸山口組(のちに絆會なども派生)の分裂抗争は、関西のみならず関東の拠点にも直接的な影響を及ぼしました。都内繁華街の飲食店関係者や雑居ビルオーナーへの取材によると、分裂直後から数年間は幹部の動座に伴う物々しい警備や、突発的な衝突への警戒感が現場を支配していました。
「当時は夜の街で黒塗りのワンボックスカーが頻繁に行き交い、特定のビル周辺には常に私服警官が張り付いていた」と新宿歌舞伎町のビル管理関係者は証言します。しかし、長期化する抗争の中で六代目山口組側が圧倒的な組織力で優位を確立したこと、さらには警視庁による特定抗争指定暴力団としての厳格な規制が敷かれたことにより、目に見える形での派手な武力衝突は都内では厳しく抑え込まれました。
現在、東京の現場では「看板を出して堂々と事務所を構える」スタイルは事実上不可能となっています。事務所の使用差し止め請求や賃貸契約の拒否が進んだ結果、幹部の集合場所や連絡機能は一般の賃貸マンションやレンタルスペースなどへ分散化される傾向が強まっています。