オーロラを育てている愛好家が最も直面しやすいトラブルが、「葉挿しをしたら緑の虹の玉になってしまった」「茎から緑の芽が出てきた」という先祖返り現象です。
オーロラは植物学的に「キメラ(異なる遺伝情報を持つ細胞がモザイク状に混ざり合っている状態)」で斑を維持しています。葉の表面にある細胞層のみに斑が入っていることが多く、1枚の葉から不定芽を発生させる「葉挿し」を行うと、内部の正常な緑色細胞が優先的に分裂し、斑が抜けた虹の玉に戻る確率が極めて高いのです。葉挿しでの斑入り個体の出現率は体感で2〜3割程度にとどまります。
オーロラならではの美しいピンク斑を100%維持して株を増やしたい場合は、葉挿しではなく「挿し木(カット苗)」や「胴切り(芯止め)」を選択するのが確実な王道ルートです。
茎の成長点を残した状態で清潔なハサミを使ってカットし、切り口を2〜3日乾燥させてから乾いた土に挿します。春(3〜5月)または秋(9〜10月)に行えば、約2〜3週間で新しい根が動き出し、斑の入ったクローン株を安全に増殖させることが可能です。もし株元や途中から緑色の強い枝が伸びてきた場合は、放置すると生育旺盛な緑枝に株全体が乗っ取られてしまうため、見つけ次第すぐに根元から切り戻す処置を行ってください。