原木生活をスタートさせた者が必ず遭遇するのが、表面に発生する白いカビだ。「腐敗させてしまったのではないか」とパニックに陥る初心者も少なくないが、実はこれは熟成過程で自然に発生するものであり、食用植物油を染み込ませたペーパータオルで拭き取れば問題ない。
むしろ本当の敵は「乾燥」だ。切り口を放置すると肉質がカチカチに固まり、本来のしっとりとした脂の旨味が損なわれてしまう。削り終えた断面には、削り取った脂身を被せたり、オリーブオイルを塗ってラップで密着させたりといった日々の手入れが欠かせない。この手間のひとつひとつを「儀式」として愛せるかどうかが、原木沼にハマる者と挫折する者を分ける分水嶺となる。