子育て現場で最も多い危険な誤解が「火を通したお菓子やスープなら大丈夫」という思い込みです。結論から言うと、一般的な家庭料理の加熱や煮沸消毒ではボツリヌス菌を殺滅できません。
ボツリヌス菌が形成する「芽胞」は、細菌が過酷な環境を生き抜くために作る硬い殻のようなカプセル構造を持っています。この芽胞は非常に強固な耐熱性を誇り、100℃で数時間煮沸しても死滅しない極めてタフな性質を持っています。完全に芽胞を不活性化させるためには、120℃以上で4分以上(あるいは100℃以上で数時間以上の加圧加熱)という、業務用の高圧蒸気滅菌器(オートクレーブやレトルトパウチ製造機など)に匹敵する特殊な条件下での処理が必須です。
つまり、家庭で作るホットケーキやクッキー、はちみつ入りの煮物、熱湯で溶かした離乳食などに混入している場合でも、芽胞は生きたまま赤ちゃんの体内に入り込みます。「加熱したから安全」という認識は極めて危険であり、どのような加工・調理形態であっても1歳未満への摂取は厳禁です。